混乱しやすい seem の文:言い換えもちゃんと使いこなしてる?
※リライト記事です※
seem 「~のようだ」 を使った文は苦手な人が多いですね。今日は、seemの文の「時」の扱い方に注意しながら、なるべくシンプルに理解できる方法を考えてみます。
seemは2つの「時」が「一緒」か「ズレてるか」に注目!
seemの文の中にある2つの「時」
seem の文の中には「時」が2つ入っています。
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
◆この文の1つ目のメインとなる seem の「時」は
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
「ようだ」のとこですね。
◆2つ目の「時」は
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
「ある」のとこですね。
2つの時が表す4つのパターン
この2つの時の組み合わせで4つのパターンの文を表せます。
①どちらの「時」も現在(時が一緒)
②「時」が現在と過去(時がズレてる)
③どちらの「時」も過去(時が一緒)
④「時」が過去ともっと過去(時がズレてる)
絵にするとこうですね↓
どういう状態なのかを詳しく説明してみます
①どちらの「時」も現在
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
◆「~のようだな」と推測しているのは現在
◆そして推測している内容もそれと同じ時(ここでは現在)のこと
②「時」が現在と過去
It seems that he was sick.
彼は病気だったようだ
◆「~のようだな」と推測しているのは現在
◆そして推測している内容はその時以前(過去)のこと
③どちらの「時」も過去
It seemed that he was sick.
彼は病気であるようだった
◆「~のようだった」と推測しているのは過去
◆そして推測した内容もそれと同じ時(ここでは過去)のこと
④「時」が過去ともっと過去
It seemed that he had been sick.
彼は病気だったようだった
◆「~のようだった」と推測しているのは過去
◆そして推測した内容はそれ以前(ここではもっと過去)のこと
絵と訳を合わせてみてみるとこうなります↓
①病気なんだな って 今推測してる
②病気だったんだな って 今推測してる
③病気なんだな って 過去に推測した
④病気だったんだな って 過去に推測した
4つのパターンのイメージは掴めましたか?
seem を使った文のもう1つのパターン
これだけなら、「うん。なんとなく使える気がする!」と思えるのですが、seemを使った文にはもう一つのパターンがあるんですよね。
It seems(seemed) that 〇〇~.
→ 〇〇 seem(seems/seemed) to~.
この2つの形があり交換可能なのです。
例)
It seems that he is sick.
⇒He seems to be sick.
あぁぁぁぁ………。
ややこしぃ…。
ちゃんと理解したつもりでも、この2つがごっちゃになっちゃって、「結局ちゃんと使えないまま放置される」のが seem の運命なのです(?)。
4つのパターンを言い換えてみる
ガックリ肩を落としているとは思いますが、訓練あるのみです!!
先ほどの4つのパターンをすべて言い換えてみますよ!!
2つの「時」が「一緒」か「ズレてるか」に注目!
言い換えの法則はそんなに難しくありません。
2つある「時」が「一緒」か「ズレてるか」で使い分けるだけです。
一緒の場合→ to の後は動詞の原形
ズレてる場合→ to の後は have +過去分詞
①どちらの「時」も現在=一緒
It seems that he is sick.
→ He seems to be sick.
◆seemは現在形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆どちらの時も「一緒」→to の後には動詞の原形がきます。
②「時」が現在と過去=ズレてる
It seems that he was sick.
→ He seems to have been sick.
◆seemは現在形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆時がズレている→to の後にはhave +過去分詞がきます。
※ちょっと深い話(基本の確認をしたいだけの人は読み飛ばしてください)
He seems to have been sick.は二つの意味にとることが出来ます
→①It seems that he was sick.(彼は病気だったようだ)
→②It seems that he has been sick.(彼はずっと病気なようだ)
①は基本の形、②は現在完了の文として捉えた形です。どちらの意味にも取れるということで、文脈から読み分けたり、他の語句との組み合わせで使い分けたりします。
①It seems that he was sick yeseterday.
→He seems to have been sick yesterday.
(彼は昨日病気だったようだ)
②It seems that he has been sick since last Monday.
→He seems to have been sick since last Monday.
(彼は先週の月曜からずっと病気なようだ)
③どちらの「時」も過去=一緒
It seemed that he was sick.
→ He seemed to be sick.
◆seemは過去形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆どちらの時も「一緒」→to の後には動詞の原形がきます。
④時が過去ともっと過去=ズレてる
It seemed that he had been sick.
→ He seemed to have been sick.
◆seemは過去形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆時がズレている→to の後にはhave +過去分詞がきます。
練習問題
では、両方のパターンで文を作ってみましょう。
①彼は忙しいようだ
②彼は病気だったようだ
③彼女は金持ちであるようだった
④彼は忙しかったようだった
【解答】
① 彼は忙しいようだ
→It seems that he is busy.
→He seems to be busy.
seemの時:現在形 もう一つの時:一緒
②彼は病気だったようだ
→It seems that he was sick.
→He seems to have been sick.
seemの時:現在形 もう一つの時:ズレてる
この図の②ですね
③彼女は金持ちであるようだった
→It seemed that she was rich.
→She seemed to be rich.
seemの時:過去形 もう一つの時:一緒
この図の③ですね。
※これが一番ややこしいですよね。 日本語的には「である」なのに過去形を使いますからね。この「である」はメインの時(過去)と同じですよ、の意味で使われてます。
④彼は忙しかったようだった
→It seemed that he had been busy.
→He seemed to have been busy.
seemの時:過去形 もう一つの時:ズレてる
この図の④ですね。
日本語の言葉に惑わされず、①~④のどのパターンの話なのかを頭に思い浮かべて英語を作ってみてくださいね。
まとめ
①~④のどのパターンなのかを見極めてから文にしましょう。2つの形が混ざった
✖ He seems that he is busy. → 〇 It seems that he is busy.
とかいう文をよく見かけますので気を付けて下さいね!
日本語に惑わされないでね!