A is no more(less) B than C is D へのアプローチ2種
もはや英語というより化学式?(笑)。今日は、こちらの表現を「そのまま読み解く!」「計算で読み解く!」の2つの方法で考えていこうと思います。
そのまま読み解く
こちらは、英語的には「正統派」の読み方だと思われます。英語は言葉ですので、発せられた順に理解できるはず。文字になっている場合は、「左から右に読み進めていけば最後には意味が分かっている」はずなのです。まずは、この正統的な方法で読み解いていってみましょう。
no more / no less の気持ち
そのまま読み解く為には、言葉の意味をしっかり心で分かっている必要があります。
no more と出てきて「more の否定だな」とか思ってるぐらいではヌルイのです。
この気持ちが大切です。「多くない」とかじゃなくて「無いわー!」です。
He is no more a lawyer....
と言う文を見かけたら
「彼が弁護士。無いわ~!それは無いわ~!」
という気持ちをまず感じるという事です。
逆に
He is no less a lawyer....
「彼が弁護士。アルね!大いにアルね!」
文の構造
次に、この化学式みたいな A is no more(less) B than C is D という文の構造を理解しておく必要があります。
この文は「なにか比較対象となる例を引き合いにだす」事が一番の特色です。
〇〇と同じくらい△△じゃないよ。
〇〇と同じくらい△△だよ。
といった具合に「〇〇」という比較対象となる例が必ず文の中に入っているのです。
で、この例が含まれているのが文の最後の C is D の部分なんですよね。
※日本訳には「~でないのと同様に」などとなっている事もあり、C is not D じゃないの?みたいに感じる時があるかと思いますが、ここは「例が置いてある場所」だととらえておいてください。
読み解く
先ほどの文にC is D を足して文を完成させてみます。
no more バージョン
He is no more a lawyer than my dog is a lawyer.
My dog is a lawyer. という例が置かれています!
no more の文では気持ち的に「ナイ」話をしたいので、「ナイわ~!」となる例が置かれているはずです。
He is no more a lawyer than my dog is a lawyer.
→彼が弁護士なんて無いわ~!!「私の犬が弁護士」っていう例出せば、その「無さ」加減分かるよね?
→私の犬が弁護士でないのと同様彼も弁護士ではない。
He is no more a lawyer than my dog is a lawyer.
→私の犬が弁護士でないのと同様彼も弁護士ではない。
左から読んでいって、「ナイ話始まるぞ~」ほんで「ナイ話の例くるぞ~」という気持ちで読めましたでしょうか?
※文法書的にいうと※
「A=Bの程度がC=Dの程度をこえることはまったくない」という事です。
no less バージョン
He is no less a lawyer than Mr. Hashimoto is a lawyer.
Mr. Hashimoto is a lawyer.(みんなが知っていそうな弁護士と言えば橋本さんかなと。)という例が置かれています!
no less の文では、気持ち的に「アル」話をしたいので、「アルわ~!」となる例が置かれているはずです。
→彼が弁護士って大いにアルよね~!「橋本さんが弁護士」だっていう例出せば「ある」加減分かるよね?
→橋本さんが弁護士なのと同様彼も弁護士だ。
He is no less a lawyer than Mr. Hashimoto is a lawyer.
→橋本さんが弁護士であるのと同様彼も弁護士である。
左から読んでいって、「アル話始まるぞ~」ほんで「アル話の例くるぞ~」という気持ちで読めましたでしょうか?
省略
この文は、最後の D の部分が省略されたりします。だってDの部分ってBと一緒になるから二回言いたくないんだよね!ってことで省略。(たまに is の部分も省略されます。)
He is no more a lawyer than my dog is ( a lawyer).
例文
左から読んでいって意味を確認してみましょう。
He is no more a lawyer than I am.
◆ナイ話きたぞ
◆ナイ話の例がきたぞ
◆省略されてるぞ
→彼が弁護士なんてナイわ。「私が弁護士だ」なんていう例出せば「ナイ」って分かるよね。
→私が弁護士でないように、彼も弁護士でない。
この文では「I am a lawer. 」が例として出されているんですけど、こういう場合「私」が弁護士になるなんてまずあり得ないんですわ!!!という気持ちが、含まれていると、解釈できます。それか、相手が自分が弁護士でない事を知っているという状況です。
He is no less a lawyer than I am.
◆アル話きたぞ
◆アル話の例きたぞ
◆省略されてるぞ
→彼が弁護士ってアルよ。「私が弁護士だ」なんていう例出せば「アル」って分かるよね。
→私が弁護士であるのと同様彼も弁護士である。
この文でも「I am a lawer. 」が例として出されているんですけど、こういう場合「私」が弁護士になる可能性十分あるよ!!!という気持ちが、含まれていると、解釈できます。それか、自分が実際に弁護士で、相手がそれを知っているという状況です。
計算で読み解く
進学校では結構ポピュラー?な方法をもう一つ紹介しておきます。非常にシステマチックに問題解決するならこう!みたいなね(笑)
考え方
①単語をプラスかマイナスかで考えます
no =マイナス
more = プラス
less = マイナス
まあ、分かる。って感じの分け方ですよね。
②計算します
no ✖ more = マイナス✖プラス=マイナスの文になる
no ✖ less = マイナス✖マイナス=プラスの文になる
まあそうなりますよね。
③文に当てはめます
マイナスの文→「ナイ」の意の文になる=~でないのと同様に~ない
プラスの文→「アル」の意の文になる=~であるのと同様~である
あ~。システマチックだねぇ~。(笑)
例文
He is no more a genius than I am.
◆no=マイナス
◆more=プラス
◆マイナス✖プラス=マイナスの文=ナイの意の文
→私が天才でないのと同様彼も天才でない
Relaxing is no less important than working.
◆no=マイナス
◆less=マイナス
◆マイナス✖マイナス=プラスの文=アルの意の文
→働く事が重要であるのと同様にリラックスすることも重要である
うん。こっちのが速く解ける気がするね。(笑)
でも、実際、咄嗟に自分でこういう事を言いたい時に使う脳の回路と、別の回路を使って解いている気がします。ので、実践で使えるかどうかは不明。テスト対策には良さそうですけどね!
まとめ
頭が混乱する A is no more(less) B than C is Dの形が、少しクリアになりましたでしょうか?比較の表現は奥深く、ここでは説明しきれませんが、基本の考え方として「こういう風にとらえるやり方もあるよ。」と参考にして頂ければ、と思います。
この形が、体の芯に染みついて「咄嗟に口からポロっと出ちゃう」みたいになったらカッコイイなー(笑)
no more/less than となるとまた違う訳になるんですよね。気になる方はこちらへ↓
その「if ~、 when~」は、副詞節なの?名詞節なの?
中学の時に「if節とか when節は、副詞節って言って、副詞節の中では時制が未来の時でも未来形にならないから気を付けてね!」と習い、その意味もよく分からないまま、そーか、未来形にしちゃダメなんだな、とにかく現在形で書いとくか、と処理していたやつがありますよね。あれが、高校になると、if節、when節でも未来形が使われている文を見かけるようになり「未来形使われてるやん!」と混乱することがあります。
そう。実は、if節、when節は「副詞節」じゃない使われ方があるのです。
だから混乱します。
今日は、「副詞節」と「そうじゃない時(名詞節)」の見分け方を紹介します。
if節、when節が副詞節で使われる時の基本
中学校でやりましたが、おさらいします。
未来の話をする時の時制に注意が必要でした。
こんな例文がポピュラーですよね。
例)We will not go on a picnic if it rains tomorrow.
(もし明日雨が降ったら、キャンプにはいかないだろう)
◆全体的に未来(明日)の話なのに、if節の動詞は未来形ではなく現在形(rains)で表しています。if節じゃない方(主節)は未来形(will go)なのに!
例)We will have dinner when our guests arrive.
(ゲストが到着した時(したら)、ディナーにしましょう)
◆全体的に未来(ゲストが到着した時)の話なのに、when節の動詞は未来形ではなく現在形(arrive)で表しています。when節じゃない方(主節)は未来形(will have)なのに!
if節、when節が名詞節で使われる時
せっかく、上の法則を覚えたのに、実はこの法則から外れたところにもif節、when節が存在します。副詞節としてではなく名詞節として扱われる時です!
例)I don't know if he will succeed or not.
(彼が成功するかどうか分からない)
◆if節なのに未来形が使われてるぅ!!!
例)Do you know when she will leave for Canada?
(彼女がいつカナダに発つか知っていますか?)
◆when節なのに未来形が使われているぅ!!!
高校になるとこういう文を習うんですよね。
さあ、どうしよう?(笑)
副詞節と名詞節の見分け方
副詞節か名詞節か!これを見分けられないと時制が使い分けられない!という事になります。さあ、どうやって見分けよう?
見分けるアプローチは2つあります。
意味で見分ける
見分け方1つ目。意味で見分ける。
if 節もwhen節も「名詞節で使われる時と副詞節で使われる時の意味が違う」のです。
if 節
◆副詞節の時→「もし~」
例)We will not go on a picnic if it rains tomorrow.
(もし明日雨が降ったら、キャンプにはいかないだろう)
◆名詞節の時→「~かどうか」
例)I don't know if he will succeed or not.
(彼が成功するかどうか分からない)
when節
◆副詞節の時→「~する時」
例)We will have dinner when our guests arrive.
(ゲストが到着する時(したら)、ディナーにしましょう)
◆名詞節の時→「いつ~か」
例)Do you know when she will leave for Canada?
(彼女がカナダにいつ発つか知っていますか?)
なーんだ。簡単じゃん?
でも、例えば意味が書いてなくてどっちの意味になるか分かんないのに、時制を選ばせる問題とかがたまに(いや頻繁に)あるんですよね。
例えばこういう問題があったら解ける?
問:どちらか正しい方を選びなさい。
Tell me when she (will come / comes) back.
えーと。意味がどうなるか分かれば選べるよね。
「彼女が帰ってくる時(きたら)、教えて」 かな?イケそう!
じゃあ、comes だ!
一応もう一つの方も作ってみるか。
「彼女がいつ帰ってくるのか、教えて」 え?これもよくない??
それだと、will come だよ???
え!!!!!?(大混乱)
はい。この二つの文、実はどちらも可能です。
そういう事もあるんです。どっちでも意味が通る時が!
でも、高校生の諸君安心してください。
こういう問題はテストには出ません!
だって選べないから(笑)。
でも、あれ?どっちの意味でも文が作れそうだぞ?という文は無きにしも非ずなのです。そんな時に使うのがもう一つのアプローチです。
文の形で見分ける
文の形で見分けます。
副詞節と名詞節にはこういう特徴があります。
副詞節=文の中で副詞として使われる
名詞節=文の中で名詞として使われる
という特徴です。まあ、当たり前ですね。だからこそ副詞節とかっていう名前がついているんだ!英語は文型というものがあって、どこにどの品詞が使われるかが決まっているのです。それを使って副詞節になるか名詞節になるか見分けます。
もしこういう問題がでたら…
問:正しい方を選びなさい
Please give me a call when you (finish / will finish) your homework.
意味からアプローチすると…
「宿題が終わった時(終わったら)電話ください」でもイケそうだし
「いつ宿題が終わるのか電話ください」でもイケる気がする…。
分からん…。
こんな時は文型の出番です。
次のステップで名詞節か副詞節か見分けましょう。
① まずif節、when節をマルでくくる
② 節全体を一つの文の要素として5文型に当てはめて考える
③ SかOかCになる時は名詞節、Mになる時は副詞節
※SかOかCになれるのは名詞だし、副詞はMだから
① まずif節、when節をマルでくくる
② 節全体を一つの文の要素として5文型に当てはめて考える
give が動詞ですよね。giveは目的語を二つ取ることが出来ます。
SVOO の形になりますよね。
てことは me =O a call =O
Please give(V) me(O) a call (O) ここまでで文が完成してますよね?
※今回は命令文なので主語がありません
てことは、残りの部分 when you (finish / will finish) your homework は修飾部(M)になるというわけ。
③ SかOかCになる時は名詞節、Mになる時は副詞節
てことは、副詞節になるわけ。
なので答えは finish になります!
Please give me a call when you (finish / will finish) your homework.
さっきの「いつ宿題が終わるのか電話ください」という訳は、日本語では良い感じだけど、英語の形としてwhen節をここに投入して表現できる文では無いということです。
だってwhen節が名詞節だとしたら
Please give(V) me(O) a call (O) when you will finish your homework (O?C?S?)
どんな文型やねん?となるから。
名詞節は OかCかSじゃないといけないわけだけど
OOO とか OOC とか OOS とかないからね。
なので、ここでは名詞節にはならないという判断が出来ます。
因みに先ほどの「どちらでもイケるよ!」という文は
Tell me when she comes back.
(彼女が帰ってきた時(きたら)、教えて下さい)
when節は 修飾部(M) =副詞節
※tell はSVOM という形を作れます
Tell me when she will come back.
(彼女がいつ帰るか教えて下さい)
when節は 目的語(O) =名詞節
※tell は目的語を二つ取る事が出来ます
まとめ
スッキリ分かりましたでしょうか?
アプローチは2つ
①意味で見分ける
②文の形で見分ける
てことは、文型をよく把握していないと完全に見分けるのが難しいってことですよね。文型は、こうやって「ずーーーーっとついてくる」のよね。なので文型はしっかり勉強しておこうね。
can と be able to の使い分けってあるの?
中学時代では「can = be able to だよー」とイコールで教えられるこの二つ。
「意味の違いはあるんですか?使い分けはあるんですか?」と生徒さんに聞かれ、「うっ、そういえばどうだっけ?」と思ったので調べてみました。
使い方を調べてまとめてみたら、至極簡単でしたのでシェアしたいと思います。
- canの意味は沢山ある
- be able toの意味は1個
- be able to の方を使う時
- be able to を避ける時
- could と was/were able to の使い分け
- could と was/were able to:否定ならどちらでも同じ
- could の意味
- まとめ
canの意味は沢山ある
canの意味って何でしょうか?「~出来る」だけじゃありませんよね。
助動詞って1つの助動詞に何個も意味がありましたもんね。
表にするとこんな感じでしたよね。
すごい数だよねぇ。。。
can の所を見てみると
◆ 能力・可能
I can play tennis.(私はテニスが出来ます)
He can come to the party tonight.(彼は今晩パーティーに来られます)
◆ 可能性
Smoking can damage your health.(喫煙は健康に害を与える可能性があります)
◆ 推量
Can her story be true? (彼女の話は本当だろうか?:強い疑い的な推量)
It can't be true. (本当のはずがない:強い否定的な推量)
◆ 許可
Can I borrow your text book? (君の教科書借りてもいい?)
◆ 依頼
Can you help me with my homework? (宿題手伝ってくれる?)
意味は5つもある!
be able toの意味は1個
それに対して be able to が表す意味は1つだけです.
◆ 能力・可能
簡単~(笑)。
able の名詞形は ability 「能力」って意味なんだから「能力」を表す意味になるに決まってるのだ。
なのでbe able to と交換可能なのは「能力・可能」の意味で使っている時のcan のみ! 「可能性」やら「推量」やら「許可」やら「依頼」やらでcanを使っている時は交換不可能って事ね。
じゃあ、「能力・可能」の意味を表す時には、いつでもどっちでも同じように使えるの?っていうとそうでもないのです。
まず、フツーの場合、be able to より can を使う方が圧倒的に多いです!
でも、場合によっては、使い分けをせざるを得ない時があります。
be able to の方を使う時
「can ではなく be able to を使う」時があります。
◆ 他の助動詞と一緒に使う時(完了形で使うhaveも助動詞の一つです)
1つの文の中で、助動詞を二つ重ねることは出来ないのでその場合は be able to を使います。
I haven't been able to sleep recently. (最近、眠れていません)
He might be able to come tomorrow. (明日、彼は来れるかもしれません)
She must be able to speak tow languages. (彼女は2か国語話せるに違いない)
✖ haven't can~ ✖might can~ ✖ must can~
※could と be able toの使い分けはこの後で説明します
be able to を避ける時
逆に「 be able to は使わない方が良い」という時もあります。
◆ 今起こってる事を話している時など
Watch me, Mum! I can stand on one leg! (ママ見て!片足で立てるよ!)
✖ I'm able to stand~.
◆ 受け身の前
Films can now be streamed on line. (映画はオンラインでストリーミング配信される)
✖Films are able to be streamed~.
◆ can が 「やり方を知っている」という意味で使われている時
Can you cook? (料理作れる?≒料理の作り方知ってる?)
✖ Are you able to cook?
※「料理を作る能力が君にはあるのか?」と聞きたければ別に be able to を使っても良さそうですけどね。
can と be able to の使い分けはこれくらいなんですけど、もっともっと重要なのはこれが過去の表現になった時! could と was / were able to の使い分けはちゃんと知っておかなければなりません。
could と was/were able to の使い分け
この二つは意味が違ってきますので交換可能なシステムではなくなります!
ちゃんと意味によって使い分けなくてはなりません。
could
一般的な過去の能力を表します。「しようと思えば出来たよ。そういう能力があったからね。」ってな時に使います。実際それを実行して成功したかどうかは一切関係ありません。
She could swim when she was three years old.
彼女は三歳の時には泳ぐことができたよ。
=泳ごうと思えば泳げたよ。そういう能力があったからね。
was / were able to
She was able to swim across the river.
彼女はその川を泳いで渡る事が出来た。
=実際に泳いで渡った。(やり遂げた。)
どちらの意味で使われているのか考えてから使い分けて下さいね!
could と was/were able to:否定ならどちらでも同じ
でもこれが否定の文になるともう意味の違いによって使い分けなくてもよくなります。
なんでだよ!
と思うかもしれませんが、これは至極当然な話で
could not =しようと思っても出来なかった
was / were not able to =やり遂げられなかった=出来なかった
どっちも「出来なかったんじゃん!」ってことです。
could の意味
could と was / were able toの使い分けは分かりましたよね。
この「過去の能力」としての使い方の他に could には意味があるのでしょうか?
はい。あります!
最初の表を見れば分かりますよね。
ポイントは「過去の能力」以外は過去の意味はないってこと!あとは全部「控えめ」表現です!
まとめ
be able to には意味は沢山無い事と、過去形での使い分けがポイントって感じですね!
will と be going to のイメージの違いを理解するより全然簡単だね!
【英語】完了形/完了進行形ファミリーを把握しよう
中学校でなんとか「現在完了形」を分かった気になった頃に、高校で「現在完了形」のファミリー達「現在完了進行形」「過去完了形」「過去完了進行形」「未来完了形」「未来完了進行形」がでてきて、
あわわわわわ……
となって全てがグチャグチャに混線する。のはよくある事です。
今日は、基本的な使い分けをチャートにしますので、頭の中を整理していきましょう。
整理してみると結構簡単です!
完了形の意味は主に3つ
完了形の意味は主に3つに分かれますよね。中学で習います。
①完了、結果
②経験
③継続
まず、この3つが頭にちゃんと入っていなかったら、この先には進めません!
この3つの意味は「過去完了形」「現在完了形」「未来完了形」いずれにも当てはまりますから!
表にするとこう↓
過去完了形 | 現在完了形 | 未来完了形 |
---|---|---|
過去までの完了・結果 | 現在までの完了・結果 | 未来までの完了・結果 |
過去までの経験 | 現在までの経験 | 未来までの経験 |
過去までの継続 | 現在までの継続 | 未来までの継続 |
大過去 |
時がズレてるだけで全部同じ意味が含まれているでしょう?
※過去完了形だけ意味が4つなんですよね。この4つ目の「大過去」は「過去」より前に起こったことを表すという単純な用法なので、今回は説明を省きます。
「過去」「現在」「未来」の時のズレ
「過去」「現在」「未来」全てにカブっている3つの用法を確認してみましょう!
時のズレを認識するだけですよ!
過去完了形
◆ 過去のある一点までの「完了、結果」「経験」「継続」
絵にするとこう↓
大切なのは「今」にまで及んでいない点ですよ!
現在完了形
◆ 現在までの「完了、結果」「経験」「継続」
絵にするとこう↓
「今」にまで及んでますね!
未来完了形
◆ 未来までの「完了、結果」「経験」「継続」
絵にするとこう↓
大切なのは「今」を飛び越えて未来にまで及んでいる点です!
完了形の例文
①私達が駅に着いた時、電車はすでに出てしまっていた
赤字の部分が「完了、結果(すでに~した)」の表現ですよね。ってことは、この部分の時制は完了形になるわけです。さて、この「電車はすでに出てしまっていた」のは
●今に及んでない?
●今に及んでる?
●今を飛び越えて未来にまで及んでる?
ここで青字の部分に注目です。「私達が駅に着いた時」これって、今に及んでないですよね。だって「着いた時」って過去形だもん。過去のある一点です。
ということは過去完了形です!
①私達が駅に着いた時、電車はすでに出てしまっていた
→The train had already left when we arrived at the station.
※過去完了形の時制が使われるのは「電車はすでに出てしまっていた」の部分だけです
「私達が駅に着いた時」の部分は過去のある一点を表す表現なのでただの過去形です。
②電車は、もうすでに出ちゃってるよ。(あ~~。)
これはどうでしょう。これも「完了、結果(もうすでに~した)」ですよね。なので完了形にすることは決定。じゃあ、「電車が出ちゃってる」って
●今に及んでない?
●今に及んでる?
●今を飛び越えて未来に及んでる?
この「電車はもうすでに出ちゃってるよ」って言っている場面が目に浮かびますか?乗るはずだった電車が「今」ここになくて「もう出ちゃってる!あ~、やっちまった~。」となっている場面が。まさに、「電車が出たという事実が今に及んで」いますよね。なので現在完了形です!
②電車は、もうすでに出ちゃってるよ!
→The train has already left!
③3時までにはもう電車は出ちゃってるだろうね。
これはどうでしょう。これも「完了、結果(もうすでに~した)」ですよね。なので完了形にすることは決定。じゃあ、今回の「電車はもう出ちゃってる」って
●今に及んでない?
●今に及んでる?
●今を飛び越えて未来に及んでる?
ポイントは「3時までには」という表現ですよね。「今」はまだ電車いるけど「3時までには」電車は出ちゃうんです。今を飛び越えて未来にまで及んでいる表現ですよね。なので未来完了形です!
③3時までには電車は出ちゃってるだろうね。
→By three, the train will have left.
以上「結果、完了」の用法の例文でした。
その他の「経験」「継続」でも同じ感覚で時がズレます。
完了進行形の用法は1つ
次は完了進行形について考えてみますよ。超簡単です。すぐ終わるからあと少し頑張ってね!
先ほどの完了形の表に実はウソが書いてあるんです。ウソっていうか情報が省略されてるんです。
この黄色い部分ね↓
継続に関する用法なのですが、実はもう少し細かい使い分けがあるんです。
本当は「完了形で表せるのは状態の継続のみ」なんです。
中学校ではこの情報は省かれています(笑)。ややこしくなり過ぎるからね~。
じゃあ、「動作の継続は?」と勘のいい人は思ったと思います。
そう!「動作の継続」こそ完了進行形で表せるのです!
完了進行形の用法 →動作の継続を表すときに使う
例文付きでまとめると
◆状態の継続=完了形で表す
My sister has been sick for ten days.
(姉が病気という状態が10日継続している)
◆動作の継続=完了進行形で表す
My sister has been cleaning her room for two hours.
(姉が部屋を掃除をするという動作が2時間継続している)
まちがっても完了進行形の意味を「ちょうどしているとこ」などと訳さないように!!!「過去のある一点にちょうどしていた(過去進行形)」とか「今ちょうどしている(現在進行形)」とか「未来のある一点にちょうどしてるだろう(未来進行形)」は完了進行形じゃなくて進行形だからね!
「過去完了進行形」「未来完了進行形」
完了形の時と同じ感覚で時のズレが発生します。
過去完了進行形と未来完了進行形の例文を見てみましょう。
◆過去完了進行形
例)突然雨が降り出すまで、彼は2時間ずっとテニスをしていた。
(過去のある一点「突然雨が降り出す」まで、テニスをするという動作が継続していた)
→He had been playing tennis for two hours before it suddenly began to rain.
◆未来完了進行形
例)来年の3月で、彼女は20年間教えてきたことになる。
(未来のある一点「来年の3月」まで、教えるという動作が継続する)
→She will have been teaching for 20 years next March.
※未来完了進行形はさすがに複雑すぎるという事で実際使われることは少ないようです
まとめ
いかがでしたか?
●完了形が3パターンに増える
●完了進行形の用法がよく分からない
●完了進行形と進行形の用法が混ざる
このせいで難しく感じる時制ですが、ちょっとスッキリ整理されたでしょうか?日本語訳にたよって覚えようとすると惑わされますので「どのパターンにはまっている文なのか」しっかり見極めて使いこなしてくださいね。
↓これが完了形・完了進行形の正しい情報が入った表です!
混乱しやすい seem の文:言い換えもちゃんと使いこなしてる?
※リライト記事です※
seem 「~のようだ」 を使った文は苦手な人が多いですね。今日は、seemの文の「時」の扱い方に注意しながら、なるべくシンプルに理解できる方法を考えてみます。
seemは2つの「時」が「一緒」か「ズレてるか」に注目!
seemの文の中にある2つの「時」
seem の文の中には「時」が2つ入っています。
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
◆この文の1つ目のメインとなる seem の「時」は
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
「ようだ」のとこですね。
◆2つ目の「時」は
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
「ある」のとこですね。
2つの時が表す4つのパターン
この2つの時の組み合わせで4つのパターンの文を表せます。
①どちらの「時」も現在(時が一緒)
②「時」が現在と過去(時がズレてる)
③どちらの「時」も過去(時が一緒)
④「時」が過去ともっと過去(時がズレてる)
絵にするとこうですね↓
どういう状態なのかを詳しく説明してみます
①どちらの「時」も現在
It seems that he is sick.
彼は病気であるようだ
◆「~のようだな」と推測しているのは現在
◆そして推測している内容もそれと同じ時(ここでは現在)のこと
②「時」が現在と過去
It seems that he was sick.
彼は病気だったようだ
◆「~のようだな」と推測しているのは現在
◆そして推測している内容はその時以前(過去)のこと
③どちらの「時」も過去
It seemed that he was sick.
彼は病気であるようだった
◆「~のようだった」と推測しているのは過去
◆そして推測した内容もそれと同じ時(ここでは過去)のこと
④「時」が過去ともっと過去
It seemed that he had been sick.
彼は病気だったようだった
◆「~のようだった」と推測しているのは過去
◆そして推測した内容はそれ以前(ここではもっと過去)のこと
絵と訳を合わせてみてみるとこうなります↓
①病気なんだな って 今推測してる
②病気だったんだな って 今推測してる
③病気なんだな って 過去に推測した
④病気だったんだな って 過去に推測した
4つのパターンのイメージは掴めましたか?
seem を使った文のもう1つのパターン
これだけなら、「うん。なんとなく使える気がする!」と思えるのですが、seemを使った文にはもう一つのパターンがあるんですよね。
It seems(seemed) that 〇〇~.
→ 〇〇 seem(seems/seemed) to~.
この2つの形があり交換可能なのです。
例)
It seems that he is sick.
⇒He seems to be sick.
あぁぁぁぁ………。
ややこしぃ…。
ちゃんと理解したつもりでも、この2つがごっちゃになっちゃって、「結局ちゃんと使えないまま放置される」のが seem の運命なのです(?)。
4つのパターンを言い換えてみる
ガックリ肩を落としているとは思いますが、訓練あるのみです!!
先ほどの4つのパターンをすべて言い換えてみますよ!!
2つの「時」が「一緒」か「ズレてるか」に注目!
言い換えの法則はそんなに難しくありません。
2つある「時」が「一緒」か「ズレてるか」で使い分けるだけです。
一緒の場合→ to の後は動詞の原形
ズレてる場合→ to の後は have +過去分詞
①どちらの「時」も現在=一緒
It seems that he is sick.
→ He seems to be sick.
◆seemは現在形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆どちらの時も「一緒」→to の後には動詞の原形がきます。
②「時」が現在と過去=ズレてる
It seems that he was sick.
→ He seems to have been sick.
◆seemは現在形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆時がズレている→to の後にはhave +過去分詞がきます。
※ちょっと深い話(基本の確認をしたいだけの人は読み飛ばしてください)
He seems to have been sick.は二つの意味にとることが出来ます
→①It seems that he was sick.(彼は病気だったようだ)
→②It seems that he has been sick.(彼はずっと病気なようだ)
①は基本の形、②は現在完了の文として捉えた形です。どちらの意味にも取れるということで、文脈から読み分けたり、他の語句との組み合わせで使い分けたりします。
①It seems that he was sick yeseterday.
→He seems to have been sick yesterday.
(彼は昨日病気だったようだ)
②It seems that he has been sick since last Monday.
→He seems to have been sick since last Monday.
(彼は先週の月曜からずっと病気なようだ)
③どちらの「時」も過去=一緒
It seemed that he was sick.
→ He seemed to be sick.
◆seemは過去形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆どちらの時も「一緒」→to の後には動詞の原形がきます。
④時が過去ともっと過去=ズレてる
It seemed that he had been sick.
→ He seemed to have been sick.
◆seemは過去形です(seemの時制は入れ替えても変わりません)
◆時がズレている→to の後にはhave +過去分詞がきます。
練習問題
では、両方のパターンで文を作ってみましょう。
①彼は忙しいようだ
②彼は病気だったようだ
③彼女は金持ちであるようだった
④彼は忙しかったようだった
【解答】
① 彼は忙しいようだ
→It seems that he is busy.
→He seems to be busy.
seemの時:現在形 もう一つの時:一緒
②彼は病気だったようだ
→It seems that he was sick.
→He seems to have been sick.
seemの時:現在形 もう一つの時:ズレてる
この図の②ですね
③彼女は金持ちであるようだった
→It seemed that she was rich.
→She seemed to be rich.
seemの時:過去形 もう一つの時:一緒
この図の③ですね。
※これが一番ややこしいですよね。 日本語的には「である」なのに過去形を使いますからね。この「である」はメインの時(過去)と同じですよ、の意味で使われてます。
④彼は忙しかったようだった
→It seemed that he had been busy.
→He seemed to have been busy.
seemの時:過去形 もう一つの時:ズレてる
この図の④ですね。
日本語の言葉に惑わされず、①~④のどのパターンの話なのかを頭に思い浮かべて英語を作ってみてくださいね。
まとめ
①~④のどのパターンなのかを見極めてから文にしましょう。2つの形が混ざった
✖ He seems that he is busy. → 〇 It seems that he is busy.
とかいう文をよく見かけますので気を付けて下さいね!
日本語に惑わされないでね!
it / one / a 形容詞 one / the 形容詞 one の使い分け
代名詞の使い分けは結構ややこしいですよね。今日は絵と例文を使ってこれらの使い分けをクリアにしていきたいと思います。
it
itは「すでに話に出てきた名詞(単数)が繰り返される時」に使われますね。
例) I have a book. It is interesting.
(私は本を一冊持っています。それは面白いです。)
絵にするとこうです↓
これは、全然難しくないよね。it は 「既に話に出てきた a bookそのもの」のことですね。
one
one は「すでに話に出てきた数えられる名詞(単数)が繰り返される時、しかもそれが不特定のものを指すとき」に使われます。
説明がヤヤコシイ…。例文を見てみましょう。
「あー!ペン持ってくるの忘れた!ペン貸してくれない?」
これは「 自分のペンを忘れてきたので、なんでもいいから(←不特定)一本ペン貸してよ。」という状況ですね。
こんな時に one が使えるんです。
●「ペン」という数えられる名詞が繰り返されています。
● しかも貸してほしい「ペン」は不特定のものです。
● そして貸してほしいのは1本です。
英語にするとこうです↓
I forgot to bring a pen. Can I borrow one?
(ペン持ってくるの忘れた。ペン貸してくれない?)
絵にするとこうです↓
先ほどの状況とは全然違いますよね。
one は「a pen」のことですが、私が忘れてきたペンではありません。
これを it を使って言っちゃうとこうなります↓
I forgot to bring a pen. Can I borrow it?
自分が忘れてきたペンを貸してくれない?ってどういうことやねん。となっちゃいます。
it と one はこんな風に指すものが全然違うんですよね。
a 形容詞 one
先ほど、one は a pen のこと。と説明しました。one の中に a が含まれているから a one と言う風に言っちゃダメ!ということになるのですが、実はこの含まれている a の働きは時によっては消えてしまうようなんですよね。例文と絵で見てみましょう。
I brought a green pen. Can I borrow a yellow one?
(私は緑のペンを持ってきました。黄色いペン一本(なんでもいいので)貸してくれませんか?)
a yellow one のように「形容詞がつく時は one の中の a の働きが消えてしまう」ようで、形容詞の前に a をつけなくてはいけません。
なんでなんだ(笑)。
なんでか分からないけど、これはこの形で使うのです!←
今回の例文を絵にするとこうです↓
● ペンという単語が繰り返される
● yellow ならどれでもよい(不特定)
● 一本
という条件ですので one が使われるんですよね。しかも形容詞が一緒についているので、a をつけなきゃいけない。なので a yellow one となっています。
the 形容詞 one
この形も one に含まれている a の要素は消えています。しかも、今回は the が使われています。一体どういう事やねん!先ほどから「one は不特定のもの」の時に使われるって言っているのに「物事を特定するための冠詞 the 」が一緒に使われているなんて!!と困惑してしまう方も多いと思います。
例文と絵で見てみましょう。
お店で沢山のTシャツを見ながら二人が会話しています。
A:「どのTシャツが好き?」
B:「うーん。赤いやつ(Tシャツ)かなぁ。」
「赤いやつ」と言っていますが、何か一つのTシャツに絞り込めているわけでもない状況です。こんな時に使うのが the 形容詞 one です。
A: Which T shirt do you like?
B: I like the red one.
絵で見るとこうです↓
この絵をみると以下の事が納得できますね。
●赤に限定(特定)している
→the を使う要素
●Tシャツという単語が繰り返されている
●その赤の中ではどれでもよい(不特定)
●その中の1つ
→one を使う要素
the と one が一緒に使われている感じ納得できたでしょうか?
ここで話が終わりなら良いんですが、theと oneの合わせ技 は、もう少し幅広く使われるので、更に例を見てみましょう。
「今の家は素敵だけど、いまだに前の家が忘れられないのよね~。」
This house is nice but I still miss the old one.
この場合は、one の特徴であったはずの不特定感がほぼなくなっています。ただ単に既に出てきた「house」という数えられる名詞(単数)の繰り返しだから one を使いました。みたいな感じです。もうここまでくるとoneって一体……。という気がしてきます(笑)。
このように、the と one が一緒に使われると、やはり「特定感」と「不特定感」のせめぎ合いになる感じがします。そしてどちらが強いかと言うと「the」の「特定感」の方が強い!と思います。
形容詞ではない修飾語句などで「限定、特定」する場合も同じです。
A: Which guitar do you like the best?
B: I like the one at the front.
A:どのギターが一番好き?
B:前に置いてあるやつ(ギター)
この場合も at the front で「限定、特定」されています。one は guitar の繰り返しを避けるために使われています。不特定感はないですよね。やっぱり the の「特定感」が強いってことだよね。
なので、the と one が一緒に使われている時は、one は「不特定感は消えちゃってて、単に既に出てきた数えられる名詞(単数)の代わりとして使われている」と考えて良い場合があるってことです。
まとめ
場合によっては、one に含まれているはずの a の要素が消えちゃったり、不特定感が消えちゃったり…。one の定義って一体…。
まあ、ちょっとヤヤコシイ子ですが、会話でもバンバン使われる人気者でもありますので、one はしっかり使いこなしたいところです!
オマケ
◆ one は数えられない名詞の繰り返しには使えないよ!
例)I like white wine better than red (wine).
(私は赤ワインより白ワインが好きです)
red one とは言えないんですよね。wineが数えられないから。red だけで留めるか、red wine と言います。(繰り返したくないんじゃないんかよ!(笑))
◆ one は所有格のあとに続けることが出来ないよ!
例)If you don't have a pen, you can use ✖my one.
(もしペンを持ってないなら、私のもの(ペン)を使っていいよ)
my one 私のモノ とは言えません。 「私のモノ」は mine だよね。
でも形容詞が間に入れば所有格と一緒に使えますよ!
✖ my one
〇 my old one
細かいルールにめげずに、頑張って使っていこうー!
【英文法:仮定法】仮定法過去・仮定法過去完了 基本の使い方
※2019年2月19日 リライトしました
「仮定法」と聞いただけで「うっっ…」ってなる方も多いと思いますが(^O^)、今日は仮定法の事を考えてみましょう。
仮定法
ザックリ分けて
②「もし~」という文なのに仮定法にならない時はいつ?
③仮定法の形
を見ていきます。分かりやすくがモットーですので最後まで読んでみてね!
①仮定法ってどんな時に使うの?
これが分からないと、なかなか「仮定法」の良さが分からないですよね。こんなややこしい形、使わないんじゃないの??!という気持ちから抜け出せない!
文法書には「話し手が現在の事実と違うことを仮定する時に仮定法過去を使う。過去の事実と違うことを仮定、想像する時に仮定法過去完了を使う。」と書いてありますね。もう少し日常的な状況に近づけて説明してみます。
基本的なイメージはこれ
私達が生きているのは現実の世界。そこにあるものは事実。
仮定法では、その事実と反対のことを想像して話す時に使う形です。
【仮定法過去】
自分の思考は「今」にいます
今(現段階)の事実と反対のことを想像して話します。
「今、〇〇なら、△△なのになぁ」
という話をする時に使います。現在に「ないこと」を想像している感じです。
例)If I were you, I would not marry him.
(もし私があなただったら、彼とは結婚しないだろうけどな~。→まあ、私はあなたじゃないからただの仮定の話だけどね。)
「私があなたになる」ということは絶対にないですからね~。事実の反対の話です。
例)If I had more money, I could buy an expensive car.
(もしもっとお金を持ってたら、高い車が買えるのにな~。→実際持ってないから買えないんだけどね。)
「現在高い車を買えるほどお金を持ってない」ってことを暗に言っています。事実の反対の話(お金をもっともってれば~)をしてるわけですからね。
【仮定法過去完了】
自分の思考は「過去」にいます
過去の事実と反対のことを想像して話します。
「あの時、〇〇だったら、△△だったのになあ。」
という話をする時に使います。過去に「なかったこと」を想像している感じですね。
例)If I had taken your advise, I might not have made serious mistakes.
(もしあなたのアドバイスを聞いていたら、深刻な間違いをおかさなかったかもしれないのに。)
過去に「あなたのアドバイスを聞かなかった。深刻な間違いを犯した。」という事実があって、それと反対の「もし聞いていたら…」という状況を仮定しているわけです。
例)If we had not met at that party, we would not have got married.
(もしあのパーティーで出会ってなかったら、私達結婚してなかっただろうね。)
過去に「出会った。結婚した。」という事実があって、それと反対の「もし出会ってなかったら…」という状況を仮定しています。
仮定法、使ってみたくなってきました?
次は、「もし~」という文でも仮定法にならない時はいつ?について考えてみましょう。
②「もし~」という文で仮定法にならない時はいつ?
文法的には直説法と言われる文の時ですね。直説法と仮定法のニュアンスの違いを見てみましょう。
先ほど使った例文を使いますよ。
例①
仮定法
If I had more money, I could buy a new house.
(もしお金がもっとあったら、新しい家買えるのにな~。→無いから買えないんだわ~。嘆)
直説法
If I have more money, I can buy a new house.
(もしお金がもっとあったら、新しい家を買えるね。)
直説法の方に「無いから買えないねん。」の気持ちは全くないです。ただ、条件づけをしているだけ。「あるなら買える」という事実を述べるだけ。
イメージとしては
If I had more money, I could buy a new house.
現実は、お金が無いから買えないんだよね。
でも、「もし、あったらさ~~」と考えてるわけ。
If I have more money, I can buy a new house.
こちらは、条件で分けて考えているだけ。
お金あれば買えるね。無ければ買えないね。っていうだけ。
例②
仮定法
If you won the game, I would buy you lunch.
(もしあなたが試合に勝ったら、お昼おごってあげるんだけど~。→まあ、勝たないだろうけどね~。)
直説法
If you win the game, I will buy you lunch.
(もし試合に買ったら、お昼おごるね!)
仮定法の方は、「勝つ」という現実が無いかのように響きます。だって「勝つ」という状況を、事実と反対の事として仮定している形ですからね。なので、皮肉っぽく響きます。使い方を気を付けないと相手が気を悪くしちゃいますね。
次は仮定法の形について考えてみましょう。
③仮定法の形
仮定法は、仮定法過去で「現在の反事実」を言い、仮定法過去完了で「過去の反事実」をいうわけです。なんか時制がズレてるのが嫌だ!!と思いますよね。
でも、時制をズラしている事が「反」の要素になるので、ズラさないとダメなのです。
【if 節の時制が一個前にズレている】
if節(もし~なら の部分)の時制が一個前にズレます。「現在の事は過去形」で、「過去の事は過去完了形」で示されます。
If I had more money,....
(もし、(今)もっとお金をもってたら…)
●現在のことを現在形で表すと、それは現在の「本当のこと」になっちゃうから。
●現在のことを過去形で表すと、現在「本当のこと」からちょっと遠ざかって「現実味が薄れる→反事実の内容を表せる」から
が時制をズラす理由です。
If I had had more money,...
(もし、(過去に)もっとお金をもってたら…)
ですので仮定法過去完了の場合もズラして、「過去の本当のこと」と誤解されないようにしているわけです。
【主節の方に使う助動詞】
主節(~だろう の部分)の方には 基本的にwould / might / could が使われます。
こちらも時制が一個前にズレます。「現在の事ならwould / might / could (will / may / can の過去形ですよね)+原形」で表し「過去の事なら would / might / could +have +過去分詞」で表します。
それは、やっぱり「現実味を薄れさせる 」ためです。
なぜこの3つの助動詞が使われるのか
「~だろう」という部分ですので、「推量」の意味を強くもつ would や might がピッタリだからでしょう。(might の方が would より「その推量にあまり自信がないけど…」な感じですね。)
また、何かを仮定する時に、「こうだったら、~出来るのになあ!」と「可能」の気持ちを入れたい時、多々ありますよね。なので could もよく使われます。
仮定法過去の形
If I were you, I would not marry him.
(もし私があなたなら、彼とは結婚しないだろうな)
※現在の事を話しています
● If(もし~)節の動詞は過去形
● 主節はwould / could / might +動詞の原形
仮定法過去完了の形
If I had taken your advise, I might not have made serious mistakes.
(もしあなたのアドバイスを聞いておいたら、深刻なミスをしなかったかもしれないのに)
※過去の事を話しています
● If(もし~)節の動詞は過去完了形(have +過去分詞)
● 主節はwould / could / might +have +過去分詞形
まとめ
いかがだったでしょうか?
①仮定法ってどんな時に使うの?
②「もし~」で仮定法にならない時はいつ?
③仮定法の形
について何となく分かりましたか?
そしてここが大切なんですけど
「なるほど」と分かったあとに、何度も文章をリピートしたりして、このズレる感覚、反事実の感覚を自分の中に落とし込む練習が、仮定法では必須になります!だって、私達の言語にない感覚だから。ここの落とし込む練習をしないと、いつまでもサッと使えるようにならないのでしっかり練習しましょう♫
まずは、仮定法過去だけ、やたらめったら練習して感覚を落とし込んでくださいね。そしてこれがしっかり定着したら仮定法過去完了の方を練習してください。両方いっぺんにすると、混ざりますから、そこは気を付けて下さいね!
仮定法過去の練習用例文はこちら↓
ありがちな(?)な日常を例文にしました。
口に出していっぱい練習しよう!
仮定法過去完了の練習用例文はこちら↓
ありがちな(?)な日常を例文にしました。
口に出していっぱい練習しよう!
参考にした文法書
参考にしたサイト