A is no more(less) B than C is D へのアプローチ2種
もはや英語というより化学式?(笑)。今日は、こちらの表現を「そのまま読み解く!」「計算で読み解く!」の2つの方法で考えていこうと思います。
そのまま読み解く
こちらは、英語的には「正統派」の読み方だと思われます。英語は言葉ですので、発せられた順に理解できるはず。文字になっている場合は、「左から右に読み進めていけば最後には意味が分かっている」はずなのです。まずは、この正統的な方法で読み解いていってみましょう。
no more / no less の気持ち
そのまま読み解く為には、言葉の意味をしっかり心で分かっている必要があります。
no more と出てきて「more の否定だな」とか思ってるぐらいではヌルイのです。
この気持ちが大切です。「多くない」とかじゃなくて「無いわー!」です。
He is no more a lawyer....
と言う文を見かけたら
「彼が弁護士。無いわ~!それは無いわ~!」
という気持ちをまず感じるという事です。
逆に
He is no less a lawyer....
「彼が弁護士。アルね!大いにアルね!」
文の構造
次に、この化学式みたいな A is no more(less) B than C is D という文の構造を理解しておく必要があります。
この文は「なにか比較対象となる例を引き合いにだす」事が一番の特色です。
〇〇と同じくらい△△じゃないよ。
〇〇と同じくらい△△だよ。
といった具合に「〇〇」という比較対象となる例が必ず文の中に入っているのです。
で、この例が含まれているのが文の最後の C is D の部分なんですよね。
※日本訳には「~でないのと同様に」などとなっている事もあり、C is not D じゃないの?みたいに感じる時があるかと思いますが、ここは「例が置いてある場所」だととらえておいてください。
読み解く
先ほどの文にC is D を足して文を完成させてみます。
no more バージョン
He is no more a lawyer than my dog is a lawyer.
My dog is a lawyer. という例が置かれています!
no more の文では気持ち的に「ナイ」話をしたいので、「ナイわ~!」となる例が置かれているはずです。
He is no more a lawyer than my dog is a lawyer.
→彼が弁護士なんて無いわ~!!「私の犬が弁護士」っていう例出せば、その「無さ」加減分かるよね?
→私の犬が弁護士でないのと同様彼も弁護士ではない。
He is no more a lawyer than my dog is a lawyer.
→私の犬が弁護士でないのと同様彼も弁護士ではない。
左から読んでいって、「ナイ話始まるぞ~」ほんで「ナイ話の例くるぞ~」という気持ちで読めましたでしょうか?
※文法書的にいうと※
「A=Bの程度がC=Dの程度をこえることはまったくない」という事です。
no less バージョン
He is no less a lawyer than Mr. Hashimoto is a lawyer.
Mr. Hashimoto is a lawyer.(みんなが知っていそうな弁護士と言えば橋本さんかなと。)という例が置かれています!
no less の文では、気持ち的に「アル」話をしたいので、「アルわ~!」となる例が置かれているはずです。
→彼が弁護士って大いにアルよね~!「橋本さんが弁護士」だっていう例出せば「ある」加減分かるよね?
→橋本さんが弁護士なのと同様彼も弁護士だ。
He is no less a lawyer than Mr. Hashimoto is a lawyer.
→橋本さんが弁護士であるのと同様彼も弁護士である。
左から読んでいって、「アル話始まるぞ~」ほんで「アル話の例くるぞ~」という気持ちで読めましたでしょうか?
省略
この文は、最後の D の部分が省略されたりします。だってDの部分ってBと一緒になるから二回言いたくないんだよね!ってことで省略。(たまに is の部分も省略されます。)
He is no more a lawyer than my dog is ( a lawyer).
例文
左から読んでいって意味を確認してみましょう。
He is no more a lawyer than I am.
◆ナイ話きたぞ
◆ナイ話の例がきたぞ
◆省略されてるぞ
→彼が弁護士なんてナイわ。「私が弁護士だ」なんていう例出せば「ナイ」って分かるよね。
→私が弁護士でないように、彼も弁護士でない。
この文では「I am a lawer. 」が例として出されているんですけど、こういう場合「私」が弁護士になるなんてまずあり得ないんですわ!!!という気持ちが、含まれていると、解釈できます。それか、相手が自分が弁護士でない事を知っているという状況です。
He is no less a lawyer than I am.
◆アル話きたぞ
◆アル話の例きたぞ
◆省略されてるぞ
→彼が弁護士ってアルよ。「私が弁護士だ」なんていう例出せば「アル」って分かるよね。
→私が弁護士であるのと同様彼も弁護士である。
この文でも「I am a lawer. 」が例として出されているんですけど、こういう場合「私」が弁護士になる可能性十分あるよ!!!という気持ちが、含まれていると、解釈できます。それか、自分が実際に弁護士で、相手がそれを知っているという状況です。
計算で読み解く
進学校では結構ポピュラー?な方法をもう一つ紹介しておきます。非常にシステマチックに問題解決するならこう!みたいなね(笑)
考え方
①単語をプラスかマイナスかで考えます
no =マイナス
more = プラス
less = マイナス
まあ、分かる。って感じの分け方ですよね。
②計算します
no ✖ more = マイナス✖プラス=マイナスの文になる
no ✖ less = マイナス✖マイナス=プラスの文になる
まあそうなりますよね。
③文に当てはめます
マイナスの文→「ナイ」の意の文になる=~でないのと同様に~ない
プラスの文→「アル」の意の文になる=~であるのと同様~である
あ~。システマチックだねぇ~。(笑)
例文
He is no more a genius than I am.
◆no=マイナス
◆more=プラス
◆マイナス✖プラス=マイナスの文=ナイの意の文
→私が天才でないのと同様彼も天才でない
Relaxing is no less important than working.
◆no=マイナス
◆less=マイナス
◆マイナス✖マイナス=プラスの文=アルの意の文
→働く事が重要であるのと同様にリラックスすることも重要である
うん。こっちのが速く解ける気がするね。(笑)
でも、実際、咄嗟に自分でこういう事を言いたい時に使う脳の回路と、別の回路を使って解いている気がします。ので、実践で使えるかどうかは不明。テスト対策には良さそうですけどね!
まとめ
頭が混乱する A is no more(less) B than C is Dの形が、少しクリアになりましたでしょうか?比較の表現は奥深く、ここでは説明しきれませんが、基本の考え方として「こういう風にとらえるやり方もあるよ。」と参考にして頂ければ、と思います。
この形が、体の芯に染みついて「咄嗟に口からポロっと出ちゃう」みたいになったらカッコイイなー(笑)
no more/less than となるとまた違う訳になるんですよね。気になる方はこちらへ↓