マジメにオモロイ英語

オオマジメに。でもオモロく。英語を紹介しています。

【英語】使役動詞パート2「させる相手が出てこないんですけど?」

前回の使役動詞の記事で

 

使役動詞とはズバリ
「誰かを いっちょかみ させる時に使う動詞です!」
これ以上でもこれ以下でもない!

 

と書きました。

図で表すとこうです↓

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Mary自身が何かをするんじゃなくて、誰かにさせる(この場合Tomにさせる)時に使う動詞が使役動詞なんですよね。

 

詳しくはこちらの記事で

funkeystomusic.hatenadiary.jp

 

でも、実際の会話の中で、ぶっちゃけ「誰にさせるかはどーでもよい」って言う時ありますよね。今日は、そういった文の形を紹介したいと思います。

 誰がしたかを明記しない文 

使役動詞とは少し離れますが、誰がそれをしたかを明記しない文にこんな形がありますよね。

 

Todaiji was built in Nara period.

東大寺奈良時代に建てられました。)

 

うん。誰が建てたか、っていう情報が入っていない。もちろん、文の最後に by~ とつければ「~によって」となり「誰が建てたか」の情報を付け足すことが出来ますが、東大寺の創建の話の時に、実際「誰が建てたのか」が話題にならないこと、多いですよね。

イヤ!聖武天皇が建てたって言いたい!って言う人も中にはいるかもしれませんが(^o^)いやいや、実際建てたのは大工さんだろう!?とか話がややこしくなりそうですけど。まあ、そんなことはどうでもよくて、

話を「誰がやったか明記しない文」に戻しまして

 

この形

Todaiji was built in Nara period.

は文法的には「受け身」ですよね。(be動詞過去分詞の形)

この「過去分詞」ってやつは、単独で使っても「受け身っぽい意味を持つ」事が多いのです。(持たない時もあるけどね)

 

例えば、「過去分詞」で名詞を修飾する形

① Look at the broken window. Who did it?

(あの壊された窓を見て!誰がやったんだ?)

② I have a beautiful bag made in Italy.

(私はイタリアで作られた美しい鞄を持っています)

 

こんな風に、受け身っぽい意味で修飾したい時は、過去分詞を使うんですよね。

 

この法則が使役動詞の文でも適応されるんです

 

過去分詞を使った使役の文

誰にさせたのかはどーでもよい という時はこういう時です

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まあ、とにかく「家を建ててもらったのよ!」と言いたい時ありますよね。

 

例えば髪を切った時とかも

I cut my hair. 

っていうと自分で髪を切った事になっちゃう。自分で切る人…あんまりいないよね。いやいや、美容師さんに切ってもらったんだよ。と言いたいので

I had a hairdresser cut my hair.

(私は、美容師さんに髪をきってもらいました≒美容師さんに髪を切らせた)

になるんだけど「美容師さんに」ってイチイチ言わなくてもよくない???って思いますよね。

そういう場合の形が過去分詞を使って表現できるのです。

 

 

過去分詞を使って表現する時の考え方はこんな感じ。

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● 主語はMaryのまま。

● でもその後の部分が、「トムが Tom 家を建てる build a house」という情報から「家が A house 建てられる(トムによって)built (by Tom)」という情報構造に変わります。で、「トムによって」の部分は「言わなくていい」と思ってる所なので省きます。

すると、こんな形になります。 

Mary had a house built.

(メアリーは家を建ててもらった)

have + O +過去分詞 の形になりました!

これが「させる相手がでてこない」使役の文の形です。

この形が使われる使役動詞

この形ですが、前回紹介した使役動詞「make / let / have」全てで頻繁に使うわけではありません。

実は、ほぼhaveしか使いません

● let ではこの用法はありません。

● make は make oneself understood(自分の事を理解させる)/ make oneself heard(自分の事を聞かせる≒自分の言うことを聞いてもらう)といった慣用表現で見かけるくらいです

 

ヤッター!haveだけなら haveだけ覚え解きゃいいやん!となりそうなのですが、実はgetにもこの用法があるんですよね。

get は使役動詞じゃないっていう分類がテキスト等に書いてある一方、いやいや、でも使役の意味で使われるんだよね、という現実があるわけです。なので、もうここは、getも一緒に覚えておくに越したことはない!

 

have+ O +過去分詞 の意味

この形には2つ意味があります。考え方は一緒で「誰がやったかは言わんでよいけど、主語でない誰かがやった」なのですが、この形で表せる状況が2つあるんですよね。

 

 ①使役 今まで説明してきた通り、「誰かに~してもらう / ~させる」表現です

I had my watch repaired.

(私は私の時計を修理してもらった)(誰にしてもらったかは言及しない)

②被害 何かの被害にあう時って「被害をあわせた人 / もの」が必ずいる / あるわけなんだけど、それをイチイチ言わない事が多いですよね。

I had my wallet stolen.

(私は財布を盗まれました)(泥棒が盗んだんですけど、イチイチ言及しない)

 

get +O+過去分詞 の意味

get にもこの形があるので have との意味の違いを見ておきましょう

 

①使役 have が「やってもらうのが当然」という状況に対して get は「(当然じゃない状況で)時間や労力がかかることをやってもらう」感じです。

How did you get your computer fixed so cheaply?

(どうやってそんなに安くパソコンを修理してもらったの?)(誰が修理したかは言及しない)(めちゃ安くやってもらった≒当然じゃない状況)

②被害 get は、「体の被害」を表すことが多いです。

I got my finger caught in the door.

(私は指をドアで挟まれた)(誰が挟んだかとかいう状況じゃない)(体の被害である)

 

※更に深い情報※

使役動詞の使い方にまだなじみのない人は読まない方が良いと思われます!

● have / get + O +過去分詞 には「Oを~してしまう」という「完了」の意味もあります。

You must have the work done by tomorrow.

(あなたは明日までに仕事を終わらせてしまわなければならない)

→使役動詞のhaveを使っているし、使役の形と同じですが、誰かにいっちょかみさせてはいません。

 こんな使われ方もありますので、なんかややこしいですよねぇ。過去分詞じゃなくて現在分詞バージョンも実はありまして、ここではもうややこしくなりすぎるので省きますが、Dual Scope なんかには、使い分け等、書いてありますのでご参照ください。

 

これで「させる相手がでてこない」使役動詞の使い方は終了です。ちょっと慣れるまで形を作るのに苦労するかもしれませんが、使えるととても便利ですので、ぜひ覚えてガンガン使ってくださいね。

I cut my hair. って誰かが言ったら「え?自分で切ったの?I had / got my hair cut(このcutは過去分詞)じゃないの?」って訂正してあげましょう(^o^)

 

次は、受け身と使役がゴチャゴチャになっちゃう件について書こうと思います。お楽しみに^^。